インフルエンサーマーケティングの成否は、施策に入る前の「探し方」と「選び方」でほぼ決まると言っても過言ではありません。本記事では、SNSキーワード検索・ハッシュタグ・位置情報・検索ツールという4つの探し方を、メリット・デメリットとあわせて整理します。さらに、探した候補をどうリストアップして管理するか、選定で見るべき5つの指標、フォロワー規模別の特徴、よくある失敗、効率化のポイントまで、はじめての方でも実務にそのまま使える形でまとめました。特定のツールに依存しない、中立的な視点での解説を心がけています。
目次
インフルエンサーマーケティングにおける「探し方」の重要性
インフルエンサーマーケティングとは、SNSで一定の影響力を持つ発信者(インフルエンサー)に、自社の商品・サービスを紹介してもらう施策のことです。テレビCMや純広告のように企業が一方的にメッセージを届けるのではなく、フォロワーが信頼している「第三者の声」を通じて情報が広がるのが特徴です。だからこそ、「誰に紹介してもらうか」=どのインフルエンサーを選ぶかが、成果を大きく左右します。
同じ予算・同じ商品でも、ブランドとの相性が良いインフルエンサーに依頼できたかどうかで、反応のされ方はまったく変わります。フォロワー数が多いだけのアカウントに依頼しても、フォロワー層が商品のターゲットとずれていれば、いいねは付いても購買や来店にはつながりにくい、ということが起こります。逆に、規模は小さくてもジャンルが一致し、フォロワーとの距離が近いインフルエンサーであれば、限られた予算でも高い反応を得られることがあります。
つまり「探し方」は、単に候補を見つける作業ではなく、施策全体の費用対効果を決める設計図のようなものです。ここを場当たり的に進めると、後工程の交渉・制作・効果検証まで一貫性を欠いてしまいます。最初に方法と基準を言語化しておくことが、結果として一番の近道になります。
手作業の探し方には「時間」という見えないコストがかかる
SNSを眺めて候補を探す作業は、一見お金がかからないため軽く見られがちです。しかし、一人ひとりのプロフィールを開き、直近の投稿のいいね・コメント数を数え、フォロワー数と照らしてエンゲージメントを見積もり、過去のPR実績を確認し……という流れを候補ごとに繰り返すと、数十人を比較するだけでも相応の時間がかかります。担当者の人件費という観点では、決して「無料」ではありません。だからこそ、手作業で行う部分と、ツールに任せて効率化する部分を意識的に切り分けることが大切になります。
「探し方」を間違えると起きること
探し方の入口でつまずくと、その後の工程すべてに影響します。代表的なのが次のような状況です。
- 有名なアカウントばかりに目が行き、予算が一瞬で尽きる
- 感覚で候補を選んでしまい、あとから「なぜこの人なのか」を社内に説明できない
- 候補を探したものの、数値での比較基準がなく、選定が進まない
- 連絡先や過去のPR実績を調べきれず、依頼の段階で手戻りが発生する
これらは、探し始める前に「方法」と「基準」を決めておけば、多くが防げます。本記事は、その土台づくりのためのガイドです。
読み終えたときに、「どの方法で探し、どんな基準で選び、どう管理するか」を自分の言葉で説明できる状態を目指します。具体的なツール選びや、Instagramでの探し方の細部は、後半で関連記事への内部リンクとともに案内します。
インフルエンサーの探し方は大きく4つ
インフルエンサーの探し方は、大きく次の4つに整理できます。それぞれに得意・不得意があるため、目的やフェーズに応じて組み合わせて使うのが現実的です。まずは全体像をつかみましょう。
① SNSキーワード検索
InstagramやXの検索窓に、商材やジャンルに関連する言葉を入れて、反応の多い投稿・アカウントを探す方法。
② ハッシュタグ検索
「#PR」「#コスメ好きさんと繋がりたい」などのタグをたどり、ジャンルや案件経験から探す方法。
③ 位置情報(スポット)検索
特定エリアの投稿から、その地域で活動するインフルエンサーを探す方法。店舗・来店型と好相性。
④ 検索ツール・プラットフォーム
フォロワー数やエンゲージメントなどの指標をまとめて確認し、条件で絞り込む方法。比較・選定を効率化。
このうち①〜③は、追加の費用をかけずにSNS上で完結できる「手作業中心」の探し方です。④はそれらの作業を効率化・自動化する位置づけになります。以下、それぞれを詳しく見ていきます。
① SNSキーワード検索で探す
もっとも手軽な方法が、InstagramやXなどの検索機能を使ったキーワード検索です。たとえば化粧品ブランドなら「スキンケア」「乾燥肌」「プチプラコスメ」など、自社の商材やターゲットが使いそうな言葉で検索し、上位に表示される投稿やアカウントをチェックしていきます。実際にどんな発信者がそのテーマで支持を集めているのかを、自分の目で確かめられるのが大きな利点です。
一方で、検索結果の一覧からフォロワー数やエンゲージメント率といった数値を読み取るには、一件ずつプロフィールや投稿を開いて確認する必要があります。候補が増えるほど確認作業の負担は大きくなります。
メリット
- 追加費用がかからず、すぐ始められる
- 発信の中身・世界観を一次情報で確認できる
- 商材に直結するテーマで支持される人を見つけやすい
デメリット
- 数値(フォロワー・反応率)の確認が手作業になる
- 表示順がアルゴリズム依存で、網羅性に欠ける
- 候補が増えると比較・管理が一気に煩雑になる
② ハッシュタグから探す
ハッシュタグ検索は、ジャンルや案件の文脈をたどって候補を絞り込みたいときに有効です。「#PR」「#提供」「#コスメ好きさんと繋がりたい」「#おうちカフェ」といったタグを起点に投稿を探すと、すでにPR投稿の経験があるアカウントや、特定の趣味・関心でつながっているコミュニティを見つけやすくなります。
とくに「#PR」などのタグから過去の投稿をたどれば、その人がどんなジャンルの案件を、どんなトーンでこなしてきたかを確認できます。これは、依頼後の仕上がりをイメージするうえで貴重な手がかりになります。ただし、人気タグは投稿数が膨大で、自社に本当に合う一人を見極めるには根気が要ります。
メリット
- PR・提供の経験者を見つけやすい
- 過去案件のトーンや仕上がりを確認できる
- ニッチな関心コミュニティに入り込める
デメリット
- 人気タグは投稿数が多く、選別に時間がかかる
- タグの付け方には個人差があり取りこぼしが出る
- 数値比較はやはり個別確認が必要
③ 位置情報(スポット)から探す
飲食店・美容サロン・小売店など、来店を促したい店舗ビジネスで力を発揮するのが位置情報を使った探し方です。Instagramでは投稿に位置情報(スポット)を付けられるため、自店や周辺エリアのスポットを開くと、その場所を訪れた人の投稿を一覧で見ることができます。そこから、近隣で活発に発信しているインフルエンサーを見つけられます。
地域に根ざした発信者は、フォロワーも同じエリアの生活者である可能性が高く、来店型のPRと相性が良いのが特長です。商圏が限られるビジネスでは、フォロワー数の多さよりも「その地域に届くか」が重要になるため、この方法が選択肢として有力です。
メリット
- 商圏内・近隣エリアの発信者を狙える
- 来店・実店舗のPRと相性が良い
- 地域フォロワーへのリーチが期待できる
デメリット
- EC・全国向け商材には向きにくい
- 位置情報を付けない投稿は拾えない
- 該当エリアの候補数が少ない場合がある
④ 検索ツール・プラットフォームを使う
4つ目が、インフルエンサー専用の検索ツールやプラットフォームを使う方法です。フォロワー数・エンゲージメント率・ジャンルといった指標があらかじめ整理されており、条件を指定して候補をまとめて抽出できます。①〜③で手作業になりがちだった「数値の確認」と「条件での絞り込み」を、一度に進められるのが最大の利点です。
ツールには無料で使えるものと、分析・連絡・管理・レポートまで備えた有料のものがあります。検討の初期段階で「まずどんな人がいるのか俯瞰したい」なら無料ツールから、運用を本格化して継続的に管理したいなら有料ツールや代行サービスへ、と段階的に選ぶのが現実的です。ツールごとの違いは記事④(おすすめツール比較)でくわしく解説しています。
メリット
- 数値を一覧で確認でき、比較が速い
- 条件指定で候補をまとめて抽出できる
- 選定の基準が数値で揃い、社内説明しやすい
デメリット
- 高機能なものは有料・契約が必要な場合がある
- 対応SNSや収録範囲はツールによって異なる
- 最終的な世界観の判断は人の目が必要
①〜③で「世界観・トーン」を一次情報として確認し、④で「数値での比較・絞り込み」を効率化する――この組み合わせが実務では扱いやすい進め方です。どれか一つに絞る必要はありません。
なお、どの方法でもInstagramが主戦場になりやすいのは、ビジュアル中心のSNSで商品やライフスタイルの提案と相性が良いためです。Instagramに絞った具体的な探し方の手順は記事②(Instagramでの探し方)でステップごとに解説しています。本記事では、媒体を問わず使える「考え方」の部分を中心にまとめています。
目的別・おすすめの探し方
「どの方法が一番良いか」は、施策の目的によって変わります。ここでは代表的な3つの目的――認知拡大/購買促進/店舗集客――ごとに、向いている探し方と相性の良いインフルエンサー規模を整理します。あくまで一般的な傾向であり、商材や予算によって最適解は変わる点はご留意ください。
| 目的 | 向いている探し方 | 相性の良い規模 | 重視する指標 |
|---|---|---|---|
| 認知拡大 (まず知ってもらう) |
SNSキーワード検索/検索ツール | ミドル〜マクロ | リーチ・フォロワー数 |
| 購買促進 (買ってもらう) |
ハッシュタグ検索/検索ツール | マイクロ〜ミドル | エンゲージメント率・親和性 |
| 店舗集客 (来店してもらう) |
位置情報検索/ハッシュタグ検索 | ナノ〜マイクロ | 地域性・親和性 |
認知拡大が目的なら
新商品の発売告知やブランドの認知獲得が目的なら、まずは多くの人に届くこと(リーチ)が重要です。フォロワー数の多いミドル〜マクロ層が候補になりやすく、まずはSNSキーワード検索や検索ツールで「そのジャンルで広く支持されている人」を俯瞰するのが効率的です。
購買促進が目的なら
実際の購入や申し込みにつなげたい場合は、リーチの広さよりも「フォロワーがどれだけ行動してくれるか」が問われます。エンゲージメント率が高く、商材とジャンルが一致するマイクロ〜ミドル層が向いています。ハッシュタグから過去のPR実績を確認しつつ、検索ツールで反応率を比較する流れが取りやすいでしょう。
店舗集客が目的なら
飲食店やサロンなどへの来店を促したいなら、商圏に届くかどうかが最優先です。位置情報検索でエリアの発信者を探し、地域コミュニティ系のハッシュタグで補完するのが定石です。フォロワー数が小さくても、地元での影響力が強いナノ〜マイクロ層が効くケースが多くあります。
規模を「混ぜる」という考え方
目的が一つに絞り切れない、あるいは予算に余裕がある場合は、規模の異なるインフルエンサーを組み合わせる方法もあります。たとえば、まずミドル〜マクロ層で広く認知を取り、同時に複数のマイクロ・ナノ層で具体的な使用感や口コミを積み上げる、といった設計です。大規模な一人に集中投下するより、反応率の高い複数人に分散させたほうが、結果的に費用対効果が良くなるケースもあります。自社の目的・予算・商材に合わせて、規模の配分を検討してみてください。
探したあとのリストアップ・管理方法
候補が見つかったら、必ず一覧化(リストアップ)しましょう。頭の中や個別のスクリーンショットだけで管理すると、比較ができず、依頼や連絡の段階で必ず手戻りが起きます。スプレッドシートで構いませんので、共通の項目で候補を並べることが、効率的な選定の第一歩です。リストアップは「探す」と「選ぶ」をつなぐ橋渡しの工程であり、ここを丁寧に行うほど、後の選定や依頼がスムーズになります。
リストアップの進め方(4ステップ)
- 候補をいったん広めに集めるまずは数を確保します。この段階では完璧に絞り込まず、「気になった人」を幅広くピックアップして構いません。
- 共通項目でシートに転記する下記の管理項目に沿って、各候補の情報を同じフォーマットで記録します。フォーマットを揃えることが比較の前提になります。
- 数値と相性で絞り込むエンゲージメント率やジャンル親和性などの基準(次章で解説)で候補を評価し、優先順位を付けます。
- ステータスで進捗を管理する「候補/連絡済み/交渉中/確定/見送り」などのステータス列を設け、依頼の進捗を一目で追えるようにします。
管理シートに入れておきたい項目
最低限、次の項目を列として用意しておくと、比較から連絡・進捗管理までを一枚で完結できます。
| 項目 | 内容・記録するポイント |
|---|---|
| アカウント名 | 表示名と@ID。同名アカウントの取り違えを防ぐため両方控える。 |
| プロフィールURL | 後から見返せるようリンクを保存。確認の手間を省ける。 |
| フォロワー数 | 規模の把握用。記録した日付も残すと変動が追える。 |
| エンゲージメント率 | 反応の良さの指標。算出方法は次章の計算式を参照。 |
| ジャンル | 美容/グルメ/旅行など。商材との親和性判断に使う。 |
| 連絡先 | DM可否、プロフィール記載のメール、所属事務所など。 |
| PR実績 | 過去の案件・提供投稿の有無。トーンや仕上がりの参考。 |
| ステータス | 候補/連絡済み/交渉中/確定/見送り、の進捗区分。 |
最初から完璧なシートを作る必要はありません。上記の項目をベースに、自社で「これも見たい」という列(地域・想定費用・備考など)を足していくと、運用しながら自然と使いやすい管理表に育ちます。
候補出しは無料ツールで一気に効率化
ジャンル・フォロワー数・エンゲージメントなどの条件で、Instagramのインフルエンサーをまとめて検索できます。まずは気軽に試してみてください。
インフルエンサーを検索する →インフルエンサー選定で見るべき5つの指標
リストアップした候補から実際に依頼する人を選ぶとき、感覚だけで決めると後悔につながりがちです。次の5つの指標をバランスよく確認しましょう。フォロワー数の多さだけで選ばないことが、何よりのポイントです。指標を整理しておくと、複数の担当者で選定する場合でも判断のばらつきを抑えられ、社内承認もスムーズになります。
① フォロワー数
届く人数の規模感。多いほどリーチは広いが、それ単体では成果を保証しない。
② エンゲージメント率
いいね・コメント・保存などの反応率。フォロワーがどれだけ動くかを示す。
③ フォロワーの質
偽フォロワーやアクティブ度。数字だけ大きく中身が伴わない例に注意。
④ ジャンル親和性
発信テーマと商材の一致度。フォロワー層がターゲットと重なるか。
⑤ 世界観・トーン
写真や言葉づかいの雰囲気がブランドと合うか。最後は人の目で判断。
① フォロワー数:規模をつかむ最初の目安
フォロワー数は、その投稿が「最大でどれくらいの人に届きうるか」の目安です。ただし、表示されるフォロワー数の全員に毎回届くわけではありません。フォロワー数はあくまで規模感を測る入口と捉え、次のエンゲージメント率とセットで見ることが大切です。
② エンゲージメント率:反応の良さを測る
エンゲージメント率(ER)は、フォロワーがどれだけ能動的に反応しているかを示す指標で、選定の中核になります。一般にフォロワー数が少ないアカウントほどERは高くなる傾向があり、規模の大きいアカウントほど数字としては下がりやすい点を押さえておきましょう。
ER(%)=(いいね数 + コメント数 + 保存数)÷ フォロワー数 × 100
例:フォロワー1万人で、平均的な投稿のいいね・コメント・保存の合計が500であれば、ER=5%。
※何を分母・分子に含めるかはツールや媒体で差があります。数値を比較するときは同じ計算条件で揃えることが重要です。業界やジャンルでも平均は異なるため、絶対値より「同ジャンル内での相対比較」を意識しましょう。
③ フォロワーの質(偽フォロワー):数字の裏側を見る
フォロワー数が大きくても、実体のない購入フォロワーやbotが混ざっていると、見かけほどの効果は得られません。フォロワー数のわりにいいね・コメントが極端に少ない、フォロワーの増え方が不自然、コメント欄が無関係な内容や海外アカウントばかり――といった点は、フォロワーの質を疑うサインです。ERが不自然に低い場合も、フォロワーの質を確認する手がかりになります。
とはいえ、これらはあくまで「気づきのきっかけ」であり、一つのサインだけで断定するのは避けたいところです。たとえば一時的にバズった投稿があると数値が大きく振れることもあります。複数の投稿を通して反応の傾向を見たり、コメントの内容が発信ジャンルと噛み合っているかを確かめたりと、いくつかの観点を重ねて総合的に判断しましょう。心配な場合は、フォロワー属性の分析機能を持つツールを併用するのも一つの手です。
④ ジャンル親和性:商材とフォロワー層が重なるか
どれだけ数字が良くても、発信ジャンルが商材と噛み合っていなければ反応は得にくくなります。たとえば美容商品なら、美容・コスメを日常的に発信し、そのフォロワーも美容関心層であることが望ましいといえます。発信テーマだけでなく、フォロワーの属性が自社のターゲットと重なっているかまで意識して確認しましょう。
⑤ 世界観・トーン:最後は人の目で
写真の色味、言葉づかい、投稿全体の雰囲気がブランドの世界観と合っているかも見逃せません。数値では測れない要素であり、ここは実際にプロフィールや投稿を見て、人の目で判断する部分です。違和感のあるアカウントに依頼すると、フォロワーにも「らしくない宣伝」と受け取られかねません。
5つのうちどれか一つだけで判断せず、総合的に評価するのが鉄則です。「数値(①〜③)で候補を絞り、相性(④⑤)で最終決定する」という二段構えが、失敗の少ない選び方です。
フォロワー規模別の特徴
インフルエンサーは、フォロワー数によって大きく5つに分類されます。規模が大きいほどリーチは広がりますが、フォロワーとの距離が近いほどエンゲージメントは高くなる傾向があります。目的に合った規模を選ぶための、おおまかな見取り図として活用してください。
規模別・エンゲージメント率の傾向(イメージ)
近年は、費用対効果と反応率の高さからマイクロインフルエンサーの活用に注目が集まっています。少数のフォロワーと深くつながっているため、購買や来店といった「行動」を後押ししやすいのが理由です。規模別の特徴や、マイクロインフルエンサーの活かし方は記事③(マイクロインフルエンサー活用ガイド)でくわしく解説しています。
Instagramで直接依頼する場合の費用は「フォロワー数 × フォロワー単価2〜4円」が一つの目安です。例:フォロワー5万人 × 2〜4円 = 10〜20万円程度。美容系などジャンルによって単価は高めになり、代理店経由ではディレクション費(20〜30%程度)が加わります。規模を選ぶ際は、反応率とあわせて費用感も確認しておきましょう。
よくある失敗・注意点
最後に、探し方・選び方でつまずきやすいポイントを整理します。あらかじめ知っておくだけで、多くの失敗は避けられます。
フォロワー数だけで選ぶ
数が多くても反応率や親和性が低いと、成果につながりにくい。指標は総合で見る。
偽フォロワーを見落とす
数字の大きさに惑わされない。反応率やコメントの中身を必ず確認する。
目的が曖昧なまま依頼
「認知か購買か来店か」が定まらないと、選定基準もぶれてしまう。
ステマ規制への配慮不足
広告である旨の明示を怠ると法令違反のリスク。下記で要点を解説。
ステマ規制(広告であることの明示)に注意
インフルエンサーに依頼する際、必ず押さえておきたいのがステルスマーケティング(ステマ)規制です。これは2023年10月1日から、景品表示法上の「不当表示」として規制されているもので、実際は広告・PRであるにもかかわらず、それを隠して消費者に「第三者の自発的な感想」であるかのように見せる行為が禁止されています。
・依頼に基づく投稿(広告)であれば、「#PR」「#広告」「#プロモーション」など、広告だと一般消費者が明確に判別できる表示が必要です。
・規制の対象は、商品・サービスを供給する事業者(広告主)です。依頼を受けたインフルエンサー側ではなく、依頼する企業側に責任が生じる点に注意してください。
・違反すると措置命令の対象となり得ます。依頼時の取り決めとして、明示のルールをあらかじめ共有しておきましょう。
「自然に見せたいから広告だと分からないようにしてほしい」という依頼は、現在は明確にNGです。広告であることを正しく開示したうえで、内容で魅力を伝えてもらう――これが、信頼を損なわずに成果を出す前提条件になります。
探し方を効率化する検索ツールの活用
ここまで見てきたとおり、SNSのキーワード検索・ハッシュタグ・位置情報は、世界観を一次情報で確認できる優れた方法です。一方で、候補が増えるほど「数値の確認」と「条件での絞り込み」に時間がかかるという共通の弱点があります。この工程をまとめて効率化できるのが、検索ツールです。
検索ツールを使えば、ジャンルやフォロワー数、エンゲージメントといった条件を指定して候補を一覧で抽出でき、リストアップと数値比較を一度に進められます。手作業の探し方とツールを併用することで、「広く一次情報を見る」と「効率よく絞り込む」を両立できます。
ツール活用が効くのはこんな場面
とくに次のような状況では、検索ツールの効果を実感しやすいでしょう。いずれも、手作業だけでは時間と抜け漏れの両面で負担が大きくなりがちな場面です。
- 候補を一定数まとめて出したいとき:少人数のスポット依頼ではなく、複数人にまとめて依頼したい場合、条件抽出が効きます。
- 数値で横並び比較したいとき:フォロワー数やエンゲージメントを同じ条件で並べたいとき、ツールなら基準を揃えやすくなります。
- 社内に選定理由を説明したいとき:「なぜこの人なのか」を数値で示せると、稟議や上長への共有がスムーズになります。
- 定期的に施策を回したいとき:毎回ゼロから手作業で探すのではなく、探す手順を仕組み化したいとき。
もちろん、ツールが出した候補をそのまま依頼するのではなく、最終的には世界観・トーンを人の目で確認する工程は残しておきましょう。ツールは「絞り込みの効率化」、人の目は「相性の最終判断」と役割を分けると、精度と効率の両立がしやすくなります。
無料ツール・有料ツールにはそれぞれ向き不向きがあり、検討フェーズや運用規模によって最適な選択は変わります。具体的なツールの種類や選び方は記事④(インフルエンサー検索ツール比較)を、Instagramに絞った探し方のコツは記事②(Instagramでの探し方)を、あわせてご覧ください。
「自社の商材に合う人がどれくらいいるのか」をつかむ段階では、無料ツールから始めるのが手軽です。候補の感触をつかんでから、運用を本格化するかどうかを判断する流れがおすすめです。
無料・登録不要でインフルエンサーを探す
「インフルエンサーサーチ」なら、Instagramのインフルエンサーをジャンル・フォロワー数・エンゲージメントなどの条件でまとめて検索できます。候補出しの第一歩に。
インフルエンサーを検索する →よくある質問
インフルエンサーの探し方で、最初に決めるべきことは何ですか?
無料でインフルエンサーを探す方法はありますか?
フォロワー数が多い人を選べば成果は出ますか?
探した候補はどう管理すればよいですか?
インフルエンサーに依頼するとき、法律上の注意点はありますか?
まとめ
- 探し方は「SNSキーワード検索/ハッシュタグ/位置情報/検索ツール」の4つ。目的に応じて組み合わせて使う。
- 探す前に「目的」を決めると、向いている方法・規模・指標が定まる。
- 候補は共通項目でリストアップし、ステータスで進捗を管理する。
- 選定はフォロワー数だけでなく、エンゲージメント率・フォロワーの質・ジャンル親和性・世界観の5指標で総合判断する。
- 規模が小さいほどエンゲージメント率は高い傾向。費用は「フォロワー数 × 2〜4円」が目安。
- 依頼時はステマ規制に配慮し、「#PR」など広告であることを必ず明示する。