インフルエンサーへの依頼は、最初の一通で印象がほぼ決まります。条件が曖昧なまま「PRをお願いできますか?」とだけ送っても、相手は何を判断すればよいか分からず、返信は来にくくなります。本記事では、依頼の前に決めておくこと(目的・予算・条件)から、3つの依頼方法、依頼の流れ、依頼文に盛り込む項目、そしてそのままコピーして使えるDM用・メール用の例文テンプレートまでをまとめました。返信率を上げるコツとNG例、契約・ステマ規制の注意点もあわせて、はじめての方でも実務にそのまま使える形で整理しています。特定のサービスに依存しない、中立的な視点での解説を心がけました。
目次
依頼の前に決めておくこと(目的・予算・条件)
依頼文を書き始める前に、まず社内で「何を・いくらで・どんな条件でお願いするのか」を固めておく必要があります。ここが曖昧なまま連絡すると、相手から条件を尋ねられた段階で答えに詰まり、やり取りが長引いたり、信頼を損ねたりします。逆に、最初の一通で要点が整理されていれば、相手は受けるかどうかをすぐ判断でき、結果として返信率も話の進み方も大きく変わります。依頼の準備は、相手のためだけでなく、自社の交渉を有利に進めるための土台でもあります。
目的:その投稿で何を達成したいか
まず決めるべきは施策の目的です。「とりあえず話題になればいい」という漠然とした状態では、依頼内容も評価基準もぶれてしまいます。一般的に、インフルエンサー施策の目的は次の3つに整理できます。目的が決まると、依頼すべき相手の規模も、投稿で重視してほしいポイントも自然と定まります。
- 認知拡大:まず多くの人に知ってもらう。リーチ(届く人数)を重視する。
- 購買・申し込み促進:実際に買ってもらう。フォロワーの反応率・行動を重視する。
- 店舗集客:来店してもらう。地域性とフォロワーとの距離を重視する。
目的が定まっていない場合は、依頼の前に候補の探し方・選び方から整理し直すのが近道です。探し方の全体像は記事①(インフルエンサーの探し方 完全ガイド)で解説しています。
予算:費用の相場を把握しておく
依頼前に、おおよその予算感を持っておくことも欠かせません。費用が分からないまま連絡すると、相手から提示された金額が妥当かどうか判断できず、交渉の主導権を失いがちです。Instagramで直接依頼する場合の費用は、「フォロワー数 × フォロワー単価2〜4円」が一つの目安とされています。
フォロワー単価は2〜4円が一般的な目安です。
例:フォロワー5万人 × 2〜4円 = 10〜20万円程度。
美容・金融などジャンルによって単価は高めになる傾向があります。キャスティング会社や代理店を経由する場合は、これにディレクション費(費用の20〜30%程度)が加わるのが一般的です。あくまで目安であり、実績や投稿内容(フィード・リール・ストーリーズの組み合わせ)によって変動します。
費用の内訳や、規模別の相場、商品提供(ギフティング)との違いについては記事⑥(インフルエンサーの費用・料金相場)でくわしく解説しています。予算の上限を社内で握ってから連絡すると、交渉がスムーズです。
条件:依頼内容を具体化する
目的と予算が決まったら、依頼の具体的な条件を言語化します。ここで詰めておくべき項目は多岐にわたりますが、最低限、次の点は事前に決めておきましょう。条件が具体的なほど、相手は受けやすく、認識のズレも起きにくくなります。
| 項目 | 事前に決めておく内容 |
|---|---|
| 投稿の種類 | フィード投稿/リール/ストーリーズ/複数の組み合わせ、のいずれか。 |
| 投稿数 | 1回のみか、複数回か。期間中の投稿頻度も決めておく。 |
| 投稿時期 | 掲載してほしい時期・期限。発売日やキャンペーンとの兼ね合いを確認。 |
| 報酬・条件 | 金額、または商品提供のみか。支払い時期・方法もあわせて。 |
| 訴求ポイント | 商品の何を伝えてほしいか。最低限入れてほしい要素。 |
| 必須事項 | 指定ハッシュタグ、メンション(@)、リンク、#PRなどの広告明示。 |
| 二次利用 | 投稿を自社の広告やサイトに転用するか。する場合は範囲と期間。 |
条件は明確にすべきですが、表現の細部まで指定しすぎると、その人らしさが失われ、フォロワーに「らしくない宣伝」と受け取られかねません。必須事項(伝えてほしい要素・広告明示)は明確に、表現方法はある程度任せる――このバランスが、自然で反応の良い投稿につながります。
インフルエンサーへの依頼方法は3つ
インフルエンサーへ依頼する手段は、大きく次の3つに整理できます。予算・社内のリソース・依頼したい人数によって、向いている方法は変わります。まずは全体像をつかみましょう。
① 直接依頼(DM・メール)
本人へDMやメールで直接連絡する方法。仲介手数料がかからず、コストを抑えやすい。やり取りは自社で行う。
② キャスティング会社・代理店
候補の選定・交渉・進行管理を代行してもらう方法。手間は減るがディレクション費がかかる。
③ プラットフォーム
マッチング型サービス上で募集・依頼する方法。多数の候補にまとめて声をかけやすい。
① 直接依頼(DM・メール)
もっともコストを抑えやすいのが、インフルエンサー本人へ直接連絡する方法です。InstagramであればDM(ダイレクトメッセージ)、プロフィールに連絡先が記載されていればメールで連絡します。仲介手数料がかからないため、同じ予算でもより多くを報酬や商品に充てられるのが利点です。
一方で、候補の選定・条件の交渉・スケジュール調整・投稿内容の確認・支払い手続きまで、すべて自社で行う必要があります。連絡しても返信が来ないことも珍しくなく、相応の手間と時間がかかる点は理解しておきましょう。少人数のスポット依頼や、まず小さく試したい段階に向いています。
メリット
- 仲介手数料がかからず、コストを抑えやすい
- 本人と直接やり取りでき、認識を合わせやすい
- 少人数・スポット依頼を手軽に始められる
デメリット
- 選定・交渉・管理をすべて自社で行う必要がある
- 返信が来ないこともあり、手間と時間がかかる
- 契約・支払いの取り決めも自社で整える必要がある
② キャスティング会社・代理店に依頼する
2つ目が、インフルエンサーのキャスティング会社や広告代理店に依頼する方法です。目的や予算を伝えれば、候補の選定から交渉、スケジュール管理、投稿チェック、効果測定まで一括で代行してもらえます。自社の工数を大きく削減でき、はじめての施策や大規模なキャンペーンで力を発揮します。
その分、ディレクション費(一般に費用の20〜30%程度)が上乗せされるため、総額は直接依頼より高くなります。事務所所属の人気インフルエンサーへは個人でアプローチしづらいことも多く、そうした相手に依頼したい場合にも有効な選択肢です。
メリット
- 選定・交渉・管理を任せられ、工数が減る
- 事務所所属の人気層にもアプローチしやすい
- 進行・トラブル対応のノウハウを借りられる
デメリット
- ディレクション費がかかり、総額が高くなる
- 本人との距離が遠く、細かな調整に時間がかかる場合がある
- 会社ごとに得意ジャンル・対応範囲が異なる
③ プラットフォーム(マッチング型)を使う
3つ目が、企業とインフルエンサーをつなぐマッチング型のプラットフォームを利用する方法です。サービス上で案件を掲載し、応募してきた人の中から選んだり、条件で絞り込んで声をかけたりできます。多数の候補にまとめてアプローチしやすく、応募型であれば「やりたい人」が集まるため、温度感の合う相手と出会いやすいのが特徴です。
サービスによって、登録しているインフルエンサーの層・料金体系・サポート範囲は大きく異なります。利用料や手数料がかかるものが多いため、対応SNSや規模感が自社の目的に合うかを確認してから選びましょう。なお、依頼の前段である「候補をどう見つけ、数値で比較するか」には検索ツールが役立ちます。ツールの種類や選び方は記事④(インフルエンサー検索ツール比較)を参照してください。
メリット
- 多数の候補へまとめてアプローチしやすい
- 応募型なら温度感の合う相手と出会いやすい
- やり取りや管理の機能が用意されていることが多い
デメリット
- 利用料・手数料がかかる場合がある
- 登録者の層・規模はサービスによって偏りがある
- 応募者の見極めはやはり自社で行う必要がある
コストを抑えて小さく試すなら①直接依頼、工数をかけずに任せたい・大規模に展開したいなら②キャスティング会社、多数にまとめて声をかけたいなら③プラットフォーム、と整理すると選びやすくなります。本記事の例文テンプレートは、おもに①の直接依頼で使える内容を中心にまとめています。
依頼の流れ(最初の連絡から投稿まで)
ここでは、もっとも自社の手が動く直接依頼を例に、最初の連絡から投稿・効果確認までの流れを6ステップで整理します。全体像を先に把握しておくと、どの段階で何を伝え、何を取り決めればよいかが明確になります。
- 候補のリストアップ・連絡先の確認依頼したい候補を一覧化し、DMが可能か、プロフィールにメールアドレスや所属事務所の記載があるかを確認します。事務所所属の場合は、本人ではなく事務所が窓口になることがあります。
- 最初の連絡(依頼の打診)DMまたはメールで、自己紹介・依頼の概要・条件の要点を伝えて打診します。この一通の質が、その後の返信率を大きく左右します(具体的な文面は次章の例文を参照)。
- 条件のすり合わせ・見積もり相手が前向きなら、報酬・投稿内容・時期・必須事項などの条件を詰めます。金額やスケジュールは双方の認識を文面で残しておくと安全です。
- 契約・発注の取り交わし合意した条件を発注書や簡単な契約書にまとめ、書面(メールでの合意でも可)で残します。二次利用やキャンセル時の扱いも、ここで明文化しておきます。
- 商品提供・投稿内容の確認必要に応じて商品を送付し、投稿の下書きや構成案を事前に共有してもらいます。修正は最小限にとどめ、表現は本人らしさを尊重します。広告明示(#PR等)の有無も必ず確認します。
- 投稿・効果確認・支払い合意した時期に投稿してもらい、リーチ・いいね・保存・コメントなどの数値を確認します。取り決めた条件どおりに投稿されているかを確認し、支払いを行って完了です。
口頭やDMだけで条件を決めると、後で認識のズレが起きやすくなります。金額・投稿内容・時期・必須事項・二次利用の範囲は、必ず文面(メール・発注書など)に残しておきましょう。トラブルの大半は、この一手間で防げます。
依頼する前に、まずは候補をまとめて検索
ジャンル・フォロワー数・エンゲージメントなどの条件で、Instagramのインフルエンサーをまとめて検索できます。連絡先の目星をつける第一歩に。
インフルエンサーを検索する →依頼文に盛り込む項目(チェックリスト)
依頼文(最初の連絡)には、相手が「受けるかどうか」を判断するために必要な情報を、過不足なく盛り込むことが重要です。情報が足りないと相手は何度も確認しなければならず、多すぎると最後まで読まれません。次の項目を意識すると、簡潔で過不足のない依頼文になります。
① 自己紹介
会社名・担当者名・事業内容を簡潔に。怪しい連絡ではないと最初に伝える。
② 連絡した理由
なぜその人に依頼したいのか。具体的な投稿や世界観に触れると誠実さが伝わる。
③ 依頼の概要
商品・サービスの紹介と、何をお願いしたいか(投稿の種類・数)を端的に。
④ 条件・報酬
報酬や商品提供の有無、投稿時期など、判断に必要な条件を提示する。
⑤ 必須事項
指定ハッシュタグ、#PRなどの広告明示、メンション・リンクなど、外せない条件。
⑥ 返信のお願い
興味の有無や条件相談の連絡先・期限を明記し、次のアクションを示す。
各項目で押さえたいポイント
カードで挙げた6項目を、もう少し具体的に補足します。順番どおりに書くだけで、自然と読みやすい依頼文になります。
- ① 自己紹介:冒頭で「どこの誰か」を明らかにします。会社名・サービス名・担当者名を端的に。匿名・無記名の依頼は警戒されやすく、返信率が下がります。
- ② 連絡した理由:「たまたま大勢に送っている」のではなく「あなたに頼みたい」と伝わるよう、具体的な投稿名やジャンルへの共感に触れます。ここが定型文だと熱意が伝わりません。
- ③ 依頼の概要:商品・サービスを一言で説明し、何を(フィード/リール/ストーリーズ)・何回お願いしたいかを明確にします。長い商品説明は避け、要点だけに絞ります。
- ④ 条件・報酬:報酬の有無・金額感、商品提供の内容、投稿してほしい時期を提示します。条件を最初に示すと、相手は受けるかどうかを早く判断できます。
- ⑤ 必須事項:指定ハッシュタグ、メンション(@)、リンク先、そして#PR等の広告明示など、外せない条件を明記します。広告明示はステマ規制対応として必須です(後述)。
- ⑥ 返信のお願い:「ご興味があればご返信ください」「条件のご相談も承ります」など、次の行動を促す一文で締めます。返信先(メール等)も添えておくと親切です。
とくにDMは長文だと読まれにくくなります。最初の一通では①〜④+⑥を簡潔に伝え、詳細な必須事項や契約条件は、相手が前向きに返信してくれた後に共有する――という二段構えが現実的です。最初から全部を詰め込もうとしないことが、かえって返信率を上げます。
例文テンプレート(DM用・メール用)
ここでは、そのままコピーして使える依頼文の例文を、DM用とメール用の2パターンで紹介します。【 】で囲った箇所を自社の情報に置き換えるだけで使えます。前章の項目をベースにしているので、不要な部分は削り、自社の言葉に整えてご活用ください。なお、これらはあくまでひな形です。相手の投稿に触れる一文(連絡した理由)は、必ず個別に書き換えることをおすすめします。
DM用の依頼文テンプレート(短め・打診向け)
DMは画面に表示される量が限られるため、要点を絞った短めの文面が向いています。まずは打診として送り、相手が前向きなら詳細を共有する想定です。
はじめまして。【会社名】で【商品・サービス名】を担当しております【担当者名】と申します。突然のご連絡失礼いたします。
【〇〇に関する投稿】を拝見し、【商品・サービス名】の魅力を伝えていただける方だと感じ、ご連絡しました。
つきましては、弊社の【商品・サービス名】を実際にお試しいただき、Instagramでご紹介(【フィード投稿1回/リール1本】など)いただけないかと考えております。
・報酬:【〇〇円】(または【商品提供のみ】)
・投稿時期:【〇月頃を希望】
・投稿には景品表示法に基づき「#PR」の表記をお願いしております。
ご興味をお持ちいただけましたら、詳細をお送りいたしますので、ご返信いただけますと幸いです。条件のご相談も承ります。どうぞよろしくお願いいたします。
DMでは、最初に名乗り、なぜ連絡したのかを一文添えるだけで、印象が大きく変わります。報酬や時期といった判断材料を簡潔に示し、最後に返信を促すのがポイントです。
メール用の依頼文テンプレート(詳細・正式依頼向け)
プロフィールにメールアドレスが記載されている場合や、事務所宛てに送る場合は、メールが適しています。DMより情報量を増やし、条件を整理して提示できます。
件名:【商品・サービス名】PRご依頼のご相談(【会社名】)
〇〇 様(【アカウント名】様)
突然のご連絡失礼いたします。
【会社名】で【商品・サービス名】のPRを担当しております【担当者名】と申します。
日頃から【〇〇に関する投稿】を拝見しており、【発信されている世界観/テーマ】が弊社の【商品・サービス名】と親和性が高いと感じ、ぜひご紹介をお願いできないかとご連絡いたしました。
=== ご依頼内容(案)===
・商品/サービス:【商品・サービス名/簡単な説明】
・依頼内容:【Instagramフィード投稿1回+ストーリーズ1回】など
・投稿時期:【〇月〇日〜〇月〇日の間で1回】
・報酬:【〇〇円(税込)】/または【商品提供(〇〇)】
・必須事項:「#PR」の表記、@【公式アカウント】のメンション、【指定ハッシュタグ】
・備考:投稿の表現は〇〇様にお任せいたします。事前に構成案のみご共有いただけますと幸いです。
=================
上記はあくまで案ですので、投稿内容・条件・報酬についてはご相談のうえ決めさせていただければと存じます。
ご興味をお持ちいただけましたら、【〇月〇日】頃までに本メールへご返信いただけますと幸いです。
ご検討のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
――――――――――
【会社名】/【部署名】
【担当者名】
Mail:【メールアドレス】/Tel:【電話番号】
――――――――――
テンプレートはあくまで土台です。「連絡した理由」と「依頼内容」は必ず個別に書き換えてください。同じ文面を多数にそのまま送ると、定型文だと見抜かれ、返信率が下がります。また、報酬・必須事項・広告明示(#PR)は、相手が判断・承諾しやすいよう、最初の段階から明確に示しておくのが誠実です。
返信率を上げるコツとNG例
同じ依頼でも、文面や進め方しだいで返信率は大きく変わります。インフルエンサーには日々多くの依頼が届くため、「丁寧で・具体的で・相手への敬意がある」連絡ほど目に留まりやすくなります。ここでは、返信率を上げる工夫と、避けたいNG例を対比で整理します。
返信率を上げるコツ(OK)
- 冒頭で会社名・担当者名を名乗り、素性を明らかにする
- 相手の具体的な投稿・世界観に触れ、「あなたに頼みたい」と伝える
- 報酬・投稿内容・時期など、判断材料を最初に提示する
- 表現はある程度任せ、必須事項だけを明確にする
- 返信の期限と連絡先を添え、次の行動を示す
- 丁寧な言葉づかいで、対等なパートナーとして接する
避けたいNG例
- 誰からの連絡か分からない(会社名・名前がない)
- 明らかな一斉送信のコピペ文で、固有名詞がない
- 報酬や条件を一切示さず「PRお願いできますか?」だけ
- 「無料で(商品提供のみで)拡散してほしい」と一方的に求める
- 表現を細かく縛りすぎ、相手の裁量がない
- 広告明示(#PR)を「付けないでほしい」と依頼する
なぜそのNGは嫌われるのか
NG例の背景を理解しておくと、自社の依頼文を見直す視点が持てます。インフルエンサーにとって、アカウントは時間をかけて育ててきた資産であり、フォロワーとの信頼関係そのものです。その前提に立つと、避けるべき連絡が見えてきます。
- 素性が不明な連絡は、詐欺やなりすましを警戒され、読まれずに終わります。まず名乗ることが最低条件です。
- コピペの一斉送信は、相手に「誰でもよかったのだ」と伝わります。投稿に一切触れていない文面は、それだけで熱意が感じられません。
- 条件を示さない依頼は、相手に「自分で考えて見積もって」と丸投げしている状態です。判断材料がなければ、返信の優先度は下がります。
- 「無料で拡散」の一方的な要求は、相手の労力や影響力を軽んじていると受け取られます。商品提供のみの依頼自体は成立しますが、それを「当然」とする姿勢は避けましょう。
- 広告明示をしないよう求める依頼は、後述のとおり法令上の問題があるだけでなく、相手をリスクにさらす行為です。誠実な発信者ほど、こうした依頼を避けます。
条件が合わずに断られることもあります。その際も丁寧にお礼を伝えておくと、印象が残り、別の機会や紹介につながることがあります。インフルエンサー業界の評判は伝わりやすいため、一件一件の対応の積み重ねが、長期的な依頼のしやすさを左右します。
契約・ステマ規制で必ず押さえる注意点
条件が合意できたら、必ず契約・発注の取り決めを文面に残し、あわせてステマ規制への対応を徹底します。ここを軽視すると、トラブルや法令違反のリスクにつながります。最後に、依頼時に外せない注意点を整理します。
契約・発注で明文化しておくこと
個人への依頼でも、口頭やDMだけで済ませず、最低限の条件は書面(発注書・簡易な契約書・メールでの合意)で残しておきましょう。次の項目を明文化しておくと、後の認識のズレを防げます。
| 明文化する項目 | 取り決めの内容 |
|---|---|
| 投稿内容・本数 | 投稿の種類(フィード/リール/ストーリーズ)と回数。 |
| 投稿時期・期限 | 掲載してほしい日・期間。掲載期間(消さない期間)も決める場合がある。 |
| 報酬・支払い条件 | 金額(税込/税抜)、支払い時期・方法。商品提供のみの場合もその旨。 |
| 必須事項 | #PR等の広告明示、指定ハッシュタグ、メンション、リンク。 |
| 二次利用の範囲 | 投稿を自社の広告・LP・店頭などに転用するか。範囲・期間・媒体。 |
| キャンセル・修正 | キャンセル時の扱い、修正対応の回数や範囲。 |
とくに二次利用は見落とされがちです。インフルエンサーが投稿したコンテンツの権利は基本的に本人にあるため、自社サイトや広告に転用したい場合は、事前に許諾の範囲を取り決めておく必要があります。後から「使っていいですか」では、追加費用やトラブルの原因になります。
ステマ規制(広告であることの明示)は必須
依頼時に絶対に外せないのがステルスマーケティング(ステマ)規制への対応です。これは2023年10月1日から、景品表示法上の「不当表示」として規制されているもので、実際は広告・PRであるにもかかわらず、それを隠して消費者に「第三者の自発的な感想」であるかのように見せる行為が禁止されています。
・依頼に基づく投稿(広告)には、「#PR」「#広告」「#プロモーション」など、広告だと一般消費者が明確に判別できる表示が必要です。投稿の冒頭など、見つけやすい位置への記載が望まれます。
・規制の対象は、商品・サービスを供給する事業者(広告主)=依頼する企業側です。インフルエンサー本人ではなく、依頼した企業に責任が生じる点に注意してください。
・「広告だと分からないように」「#PRを付けないで」といった依頼は明確にNGです。違反は措置命令の対象となり得ます。
つまり、広告であることを正しく開示したうえで、内容の魅力で勝負してもらう――これが、信頼を損なわずに成果を出す前提条件です。依頼の段階で「広告明示をお願いする」旨を伝えておけば、後のトラブルを防げます。ステマ規制の具体的な対象範囲・表示方法・運用上の注意は、記事⑨(ステマ規制の徹底解説)でくわしくまとめています。依頼前に必ず目を通しておくことをおすすめします。
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「インフルエンサーサーチ」なら、Instagramのインフルエンサーをジャンル・フォロワー数・エンゲージメントなどの条件でまとめて検索できます。依頼候補のリストアップに。
インフルエンサーを検索する →よくある質問
インフルエンサーへの依頼は、DMとメールのどちらが良いですか?
依頼文(最初の連絡)には何を書けばよいですか?
商品提供だけ(報酬なし)で依頼してもよいですか?
依頼時に契約書は必要ですか?
依頼時にステマ規制で注意すべきことは何ですか?
まとめ
- 依頼の前に「目的・予算・条件」を固める。費用の目安は「フォロワー数 × 2〜4円」。
- 依頼方法は「①直接依頼(DM・メール)/②キャスティング会社・代理店/③プラットフォーム」の3つ。代理店経由はディレクション費(20〜30%程度)が加わる。
- 依頼の流れは、候補確認→打診→条件すり合わせ→契約→投稿確認→投稿・効果確認・支払いの6ステップ。
- 依頼文には「自己紹介・連絡理由・概要・条件・必須事項・返信のお願い」の6項目を盛り込む。
- 例文テンプレート(DM用・メール用)は【 】を置き換えるだけで使えるが、「連絡理由」と「依頼内容」は必ず個別に書き換える。
- 条件・二次利用は書面で残し、ステマ規制対応として「#PR」など広告であることの明示を必ず依頼する。